Grok Botに仕事を任せる講座

区分2 頼む★★★

No.04 文脈を渡して任せる・確認が要る仕事

細かい手順を書くより、仕事の背景を渡して判断させる方がうまくいきます。この単元は、その渡し方と、勝手に決められると困る仕事の扱い方、そして自分で書く物とボットに任せる物の線引きを学びます。毎日の頼みごとに関わるので、しっかり読みます。
目次
  1. 第0章 前提知識
  2. 第1章 文脈を渡して判断させる
  3. 第2章 確認が要る仕事の扱い方
  4. 第3章 任せる物と、任せない物の線を引く
  5. 確認問題

第0章 前提知識

① 文脈 :その仕事がなぜあるのか、という背景

文脈とは、頼みごとの手順ではなく「何のための仕事か」「誰が困っているか」「何が分かれば終わりか」といった背景のことです。

新しく入ったアルバイトに「毎朝9時に、この表の3列目を見て、赤い行があればこの人に連絡して」と手順だけ渡したとします。表の形が変わった途端に、止まってしまいます。 一方で「お客さんからの要望を拾って、早めに声をかけるべき人を探してほしい」と目的を伝えれば、表が変わっても自分で考えて動けます。

Grok Bot(xAIが作るAIエージェントの製品)のボットも同じです。手順を細かく書くより、背景を渡して判断させる方が、laurenさん(Grok Botの開発リーダー)のおすすめです。

② 似た言葉との違い

言葉 意味 この単元での扱い
手順の指示 「1番にこれ、2番にあれ」と順番まで決める 必要な時だけ。基本は避ける
文脈の共有 目的・状況・完了の姿を伝えて、やり方は任せる この単元の中心
言い直し ボットが理解を自分の言葉で言い返す(No.03で学びました) この単元でも最後の確認に使う

第1章 文脈を渡して判断させる

① 手順より、目的と材料を渡す 必ず覚える

laurenさんのおすすめは、手順を指示するより文脈を渡して判断させることです。例として挙げられているのが、次の頼み方です。

「Slackの要望を見て、CRMで声をかけるべき顧客を探して」

ここには「Slackの要望」という材料と、「声をかけるべき顧客」という目的しかありません。どの順番で見るか、何件まで見るかは書いていません。ボットはつながっているSlackとCRM(顧客管理の道具)を見て、自分で段取りを考えます。

こう頼めるのは、No.02で学んだように、普段のツールをつないであるからです。材料が見えていれば、手順を教えなくても動けます。

laurenさんはこの考え方を、仕事の2つの部分をボットに任せる、という言い方でも説明しています。何をやるべきかをつかむ所(仕事の洗い出し)と、実行して完了まで追う所です。詳しくはNo.11で触れます。

② 決まっていない所は、聞き返さず試しに作らせる さらっと

仕事を頼むと、「ここはどうしますか」とボットが聞き返してくることがあります。答えを自分も持っていない時は、こう頼むのが laurenさんのおすすめです。

「決まっていない点は、聞き返さずに、まず試しに作って答えを出して。根拠には実際のデータを付けて」

頭の中だけで悩むより、実物を見て決める方が速いからです。たとえば「どの顧客に声をかけるべきか」の基準が曖昧でも、ボットが実データから候補を3人出してくれれば、「この人は違う」「この人はそう」と直すだけで基準が見えてきます。

ここで大事なのは「根拠に実データを付けて」の一言です。これがないと、ボットはもっともらしい話を作って終わってしまうことがあります。

③ 並行で回す時は、定型の一言を決めておく さらっと

ボットを何本も同時に動かすと、どれが今どうなっているのか分からなくなります。laurenさんは、並行で頼む時の定型の一言をおすすめしています。

「前回以降のことを全部まとめて。私への確認は、判断できるだけの要約を付けて」

後半が大事です。「確認があります」とだけ返されると、元の会話を読み返さないと判断できません。要約付きで返してもらえば、その一通だけで決められます。

○ よくある勘違い:「文脈を渡す」は、長い説明を書くことではありません。目的と材料と完了の姿が1〜2文ずつあれば足ります
○ 関係する単元:声で話して言い直させる頼み方はNo.03。複数のボットに分ける考え方はNo.09(後で出ます)

第2章 確認が要る仕事の扱い方

① ボットは、頼んでいないことを勝手に決める場面がある 必ず覚える

ボットは頼まれた仕事を前に進めようとするので、迷った所で止まらず、自分で決めて先へ進むことがあります。これが laurenさんの言う「頼んでいないことを勝手に決める場面」です。

たとえば「お客さんへの返事を書いて」と頼んだ時に、送る日付や値引きの条件をボットが適当に決めてしまう、といったことです。悪気はなく、仕事を止めないための動きです。

だから、確認が要る仕事は、始める前に言い直させます。

「この仕事で、私に確認してほしい所と、あなたが自分で決めてよい所を分けて、あなたの言葉で言い直して」

こう頼むと、ボットが「値引きの条件は決めずに確認します」「日付は私が決めます」と線を引き直してくれます。ずれていれば、その場で直せます。

② 外に出る物は、下書きにして確認してから送る 必ず覚える

メールやメッセージのように、送ったら取り消せない物は、ボットに下書きを作らせて、自分で見てから送る使い方ができます。

「返信を下書きにして。送る前に私に見せて」

見る側の負担を減らすコツは、下書きと一緒に「なぜこう書いたか」「迷った所はどこか」を出させることです。全文を読み直さなくても、迷った所だけ見れば済みます。

慣れて信頼できるようになったら、少しずつ任せる範囲を広げます。laurenさんの考え方は「まず手でやって良し悪しを知り、信頼を得てから自動にする」です。最初から全部を自動にしないのが近道です。

○ よくある勘違い:下書きの確認は、ボットを疑っているのではなく、取り消せない操作の前に一度止める習慣です
○ 関係する単元:秘密を会話に貼らない決まりはNo.05。定期的に下書きを作らせる使い方はNo.07

第3章 任せる物と、任せない物の線を引く

① 作者は、自分の発信は自分で書く さらっと

laurenさんは、自分の投稿や記事は自分で書いています。理由は「書くことが考えることだから」です。

一方で、情報を集める・見張る・整理する・記録するといった仕事は、ボットに任せています。

線の引き方を整理すると、次の表になります。

ボットに任せる 自分でやる
情報集め・見張り 自分の名前で出す文章(考えをまとめる所)
整理・記録 何を大事にするかの決定
下書き・要約 最終的に送る・公開する判断

「自分の名前で出す文章」は、あなたの考えそのものです。ボットに丸ごと任せると、速くなる代わりに、自分で考える機会を手放します。下書きまでをボットに作らせ、中身は自分で決める、という使い分けもできます。

どこに線を引くかは人によって違います。ここは「正解」ではなく、laurenさんのおすすめです。自分の仕事で、考えることが価値になっている所はどこかを、一度ボットと話してみてください。

最低限、手順でなく目的を渡し、外に出る物は下書きで確かめてから送る。

確認問題

問1 「毎朝この表の3列目を見て、赤い行があれば連絡して」と手順で頼んでいたら、表の形が変わって止まりました。laurenさんの考え方に近い直し方は?

問2 基準がまだ決まっていない仕事で、ボットが「どうしますか」と聞き返してきました。あなたも答えを持っていません。次の一言はどれが近い?

問3 値引きの条件が絡むお客さん向けの返事をボットに頼みます。始める前にやっておくと良いのは?

問4 3つのボットを並行で動かしていて、確認の連絡が来るたびに元の会話を読み返しています。laurenさんのおすすめは?

出典: - https://x.com/poteto/status/2107510472601985336 - https://x.com/poteto/status/2111133080526495985 - https://x.com/poteto/status/2109024196760305861 - https://x.com/poteto/status/2110571093836894621 - https://x.com/poteto/status/2097761647331062005 - https://x.com/poteto/status/2109885001584292091 - https://x.com/poteto/status/2115205951649423585 - https://x.com/poteto/status/2069824386283319343